福井翻訳ミステリー読書会

翻訳ミステリー中心の読書会、福井翻訳ミステリー読書会の情報をお知らせしています。

【満員御礼!】第9回福井翻訳ミステリー《オンライン》読書会開催のお知らせ。

※ありがとうございます。おかげさまで満席となりました。この後はキャンセル待ちのみ受付となります(7/31追記)

 

秘めた過去を持つ臨床心理士と、嘘を見抜く特殊能力を持つ少女との関係を軸に描かれる傑作スリラー『天使と嘘』。

 

 

 

 

 

著者のマイケル・ロボサムにとって『生か、死か』(ハヤカワ・ミステリ文庫)以来、二度目のゴールド・ダガー賞を受賞した本作を課題書に、オンラインでの読書会を開催いたします。


そして今回はこれまでもロボサムの訳を手掛けてこられた訳者の越前敏弥さんがゲストで参加して下さいます! 

皆様のご参加をお待ちしております。

 

 

【第9回福井翻訳ミステリー《オンライン》読書会】
日   時:2021年9月4日(土)開始20:00 終了22:00頃
場   所:ミーティングIDをご参加の方に案内
課 題 書:『天使と嘘』マイケル・ロボサム 著/越前敏弥 訳
     (ハヤカワ・ミステリ文庫 ※電子書籍あり)
募   集:9名
参 加 費:無料 ※課題書は読了してきて下さい。

 

 

申し込み方法】
専用アカウント(fukui.honyaku.bookclub@gmail.com)までメールにてお申し込み下さい。
件名を「福井読書会9」とし、メール本文には下記の内容をご記入お願いいたします。
お問い合わせもお気軽にどうぞ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1.お名前:
※ ご本名でお願いいたします。商業媒体に発表されている方は筆名でもかまいません。
2.緊急連絡用の電話番号:
3. お住まいの都道府県:

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

※ 定員に達した時点で受付を締め切ります。
※ お申込み後、順次受付確認のメールをお送りしますので、@gmail.comからのメールを受信できるようあらかじめ設定をお願いいたします。
※ お申込み後、数日を過ぎてもこちらから返信がない場合はお知らせください。
※ web会議用のアプリを使用いたします。顔出しでのご参加をお願いいたします。

 

f:id:fukui-honyaku-bc:20210730213841p:plain

 

【満席御礼!】第8回読書会(シャーロック・ホームズの冒険)開催のお知らせと第7回読書会(老いた殺し屋の祈り)レポート。

第8回福井翻訳ミステリー読書会は、コナン・ドイルの『シャーロック・ホームズの冒険』で2021年7月17日(土)に、オンラインにて開催いたします。

 

※ありがとうございます。おかげさまで満席となりました。この後はキャンセル待ちのみ受付となります(7/3追記)

 

詳細は「翻訳ミステリー大賞シンジケート」内の記事にて。

honyakumystery.jp

 

よろしくお願いいたします。

 

 

 

そして前回の読書会のレポートも同じく「翻訳ミステリー大賞シンジケート」内でアップされています。

honyakumystery.jp

 

この時は司会進行を、読書会直前に世話人のNさんに振ってしまい申し訳なかったですが、一参加者として気軽に参加できました(笑)。

【満員御礼!】「第7回福井翻訳ミステリー《オンライン》読書会」開催のお知らせ(4/12追記:ありがとうございます。満席につき【受け付け終了】いたしました!)

※ ありがとうございます!

 満席につき【受付終了】しております(4/12追記)

 

 

2021年5月15日(土)「第7回福井翻訳ミステリー読書会」開催のお知らせです。

 

課題書は『老いた殺し屋の祈り』マルコ・マルターニ 著/飯田亮介 訳(ハーパーBOOKS)。

 

老いた殺し屋の祈り (ハーパーBOOKS)

老いた殺し屋の祈り (ハーパーBOOKS)

 

 

 

詳細は翻訳ミステリー大賞シンジケート様にて告知して頂いておりますので、そちらをご覧ください。

 

 

honyakumystery.jp

 

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、今回もオンラインでの開催となります。

 

そしてなんと、イタリアから訳者の飯田亮介さんがゲストでご参加いただける事になりました!

 

読書会もグローバルな時代に突入ですね(笑)。

 

貴重な機会です、是非ご参加ください。

 

 

 ※電子版もあります。

 

 

 

「第6回福井翻訳ミステリー《オンライン》読書会」レポート(課題書:コリーン・フーヴァー 『世界の終わり、愛のはじまり』)

昨年末(2020年12月26日(土))に開催いたしました第6回福井翻訳ミステリー読書会のレポート、アップしようしようと思いつつ3ヶ月も経ってしまいました。

 

1月の3年ぶりの大雪で調子が狂ったまま2月に入り、その後は年度末の忙しさで・・・って、言い訳ですね、すいません。

 

その読書会、課題書『世界の終わり、愛の始まり』(コリーン・フーヴァー 著/相山夏奏 訳(二見文庫))にて今回もオンラインで行いました。

 

 

ミステリーではなくロマンス小説という事で、課題者として発表した際に意表を突かれたと仰っていた方もいらっしゃいました。

 

実際、ロマンス小説を課題書にするという事でどうなるか不安はありましたが、読書会自体は本書の翻訳を手掛けられた相山夏奏さん、二見書房の担当編集者様がゲストでご参加下さった事もあり、総勢12名で大変盛り上がりました。

 

その中で上がった感想や意見について一部をご紹介させていただきます。

 

・タイトルがいい。最後まで読むとタイトルの意味が分かる。

・再読でも何度も涙。

・ライルとアリッサの兄妹が共謀しているのではと、ミステリな読み方をしてしまった。

・リリーの初恋の相手のアトラスが都合良すぎる存在に見えた。

・YA要素がある。

・(逆に)YA好きは濃厚な描写は大丈夫か心配。

・リリーの行動に納得いかないものがあった。

・ライルがリリーに惹かれた理由が知りたかった。

・ハーレクインぽいものかと思ったけれど、ミステリーっぽかった。

・男性が格好いいのでトキメク。

・手紙の部分が読みやすく、一人称である事で真実味が増していた。

・物語の構成がうまい。

・思わず笑ってしまようなユーモアある場面が好き。

銃社会である事、マリファナを吸う場面など、アメリカの現実と問題が描かれている。

・リリーが母から受けた一言に思わず涙した。

・ロマンス小説読者と、そうでない読者の感想が違うのが面白い。

ピンタレストやスクラブ、ワンジーなど、ロマンス小説を読んで初めて知る言葉もあり勉強になった。

・登場人物が成長していく様も読みどころ。

・善と悪の対比が立体的に描かれている。

・常識をひっくり返すのがうまくて、読み手の心をくすぐる。

・不穏なエンディングを迎えるのを願っていた。

 

などなど、こちらに書ききれない程の色々な感想が上がりましたが、ロマンス小説に慣れてないミステリ部員の参加者は、やはりミステリ的な読み方をしたという方も多かったですね(笑)。

 

また、ラストについても意見が分かれました。

もっともネタバレせずにそれらの意見を記すのは難しいのが残念なところ。

この辺りは未読の方には是非とも手に取って確かめて欲しいです。

女性だけでなく、男性にも、いえ、男性にこそ読んで欲しいと思える作品ですので、是非ともリリーと共に愛の意味について考えてみて下さい。

 

その他、主人公のリリーの相手役となる男性について、ヒーローであるライル、そしてリリーの初恋の相手アトラス、その二人のどちらが好みかで参加者の意見が分かれたのも面白かったですね。

ライルについては「金持ち」「格好いい」「ダメ男が好きなので」といった声で票が入る中、「しっかりしよろ」など厳しい意見も受けつつ票数を集めたのはアトラスの方でした。

そして、どちらも好みではないとの身も蓋もない意見も(笑)。

また、ライルの妹アリッサの夫であるマーシャルに一票入ったのが予想外とはいえ、一同思わず納得する場面も(笑)。

 

ところで今回の読書会で一番盛り上がったと言っても過言では無いのが、リリーがライルのスクラブ姿を見て興奮する場面を受け、参加者の性癖というか、趣味というか、萌えポイントをそれぞれ発表していただく流れになったところでしょうか。

「映画『愛と青春の旅立ち』のリチャード・ギアのような海兵隊の制服姿」、「映画『007』シリーズのダニエル・クレイグのようなスーツ姿」など上がる中、「アメリカの消防士が、イケメンマッチョな姿を見せるカレンダーがいい」とか、「警察官の制服がいい。手錠で捕まえて欲しい」などといった声には爆笑の渦に(笑)。

私も、2~3割は格好良く見えるというスーツにネクタイ姿で次回からは参加しようかなと考えています(笑)。

 

なにはともあれ本筋とは関係ないところで盛り上がれるのも読書会の一つの楽しみではないでしょうか。

 

さて、訳者の相山さんは、『秘めた情事の終わるとき』に続いてのコリーン・フーヴァー作品の翻訳となったそうです。

そのフーヴァー作品を翻訳するまではあまりロマンス小説を読んでいなかったとの事ですが、今回『世界の終わり、愛のはじまり』を訳すにあたり、じめっとしないよう気を付けた事や、他のロマンス小説には出てこないようなワードが出てくる事など、翻訳の裏話など色々お聞かせ下さいました。

 

それから二見書房様から今回の読書会に参加された方の中から希望者には素敵なプレゼントが後日届きました。

それは、本書の中でロマンチックでありながら事件のきっかけともなる重要なアイテムとして登場するBOSTONマグネット。

 

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素敵なマグネットを二見書房様、ありがとうございました!

 

また、今回の読書会そのものに参加は出来なかったものの、本書の感想やロマンス小説についてのメッセージを送って下さった、Nさん、そしてSさん、ありがとうございました!

ロマンス初心者が多かった参加者にとって色々と勉強にもなり、あらためてロマンス小説の魅力を感じた方も多かったようです。

 

 

さて、今回もオンラインでの開催ならでは、訳者の相山さん、担当編集様をはじめ北海道から福岡まで様々な地域から参加していただき、約2時間の読書会の間中、笑い声が絶えない本当に楽しい時間を過ごす事ができた事を、あらためて皆様にお礼を申し上げたいと思います。

 

 

そして次回の福井読書会ですが、2021年も春を迎えた事ですし、そろそろ始動したいなと考えております。

まだまだリアルでの開催は難しい状況かも知れませんが、ガチガチの本格ミステリから今回のようなロマンス小説まで幅広く見て課題書を決めていきたいと思っていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

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「第5回福井翻訳ミステリー読書会」レポート(課題書:ヴィクター・メソス 『弁護士ダニエル・ローリンズ』)

5回目となる「福井翻訳ミステリー読書会」は、第3回、第4回に続きオンラインにて2020年10月31日(土)に開催いたしました。

 

またもすっかり遅くなってしまいましたが、今回も簡単なレポートを記しておきたいと思います。

 

課題書は『弁護士ダニエル・ローリンズ』ヴィクター・メソス 著/関 麻衣子 訳 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

ゲストに翻訳者の関麻衣子さんをお迎えする事ができ、定員12名で募集を開始したところ、一日経たないうちに満席となり、当初の予定から4名追加しての開催となり盛り上がりました!

 

 

さて、当日は先に実施したアンケートの内容についてお聞きしたりしながら、ザクっと参加者の皆さんから感想をお聞かせいただいたので、その一部をご紹介いたします。

 

・主人公のダニエルの設定が絶妙。

・2016年の作品だけれど、今のアメリカを象徴しているかのよう。

・意外に重い物語だった。

・主人公の相棒キャラ、ウィルが好き。

・ユーモラスでありながら自虐的なところが好き。

・ダニエルという主人公が魅力的でグイグイ読ませる。

アメリカの司法制度がよく分からなくて、物語に書かれているような事は本当にあるのかと疑問に思った。

・女性が強い物語で面白い。

・犯人はもっと早い時点で分かっても良かったのでは。

・違う結末の方が良かった。

・主人公の周りにはいい人が集まっているなど、白黒はっきりしている印象。

・最後は出来過ぎかとも思う。

・物語のために障がい者を被害者にする設定はあまり好きじゃなかった。

・米ドラマの「アリー my Love」に設定が似ている。

・根深い黒人差別など社会的問題について考えさせられた。

・ダニエルとテディが一緒に過ごした時間が、より信じる事に繋がったのでは。

・ダニエルのイメージは日本の俳優だと篠原涼子

・最初、主人公は男かと思ったぐらい、ダニエルが男前。

・裁判の行方は意表をつかれた。

・リーガルものが好きなのでツボだった。

・今年の上半期で読んだ中では1,2を争うぐらい好き。

 

などなど、皆さんから色々な感想や意見をいただいた中で、やはり主人公のダニエルというキャラクターが魅力的なのと、ダニエルの周りの登場人物もまた魅力的という点について皆さん意見が一致していたようです。

 

なお、翻訳者の関さんはジェットコースターのように喜んだり悲しんだりしながら読んだそうで、原書でも泣いて、訳しながらも泣いて、ゲラを読んでも泣いてと、何度も涙しながら読んだけど、参加者の皆さんの感想を聞いてこんなに泣いてるのは自分だけじゃないのかと、小さくショックを受けておられました(笑)。

 

 

一通り皆さんの感想を聞いた後はダニエルの元夫であるステファンと、ダニエルの調査員でありダニエルの事を想っているウィルについてどちらが魅力的だったりするのかも話題に。

 

ステファンは普通にいい人で特にダメ男ではないけけど魅力的でも無く、狂言回し的な役割だと身も蓋も無く評価されたり、一方のウィルに関してもいい男かも知れなけどロマンス的要素は本書に必要なのか疑問という声もありつつ、そもそもダニエルに男を見る目が無いんじゃないかなんて意見も上がっていました(笑)。

 

そんな中で株が上がったのはダニエルとステファン、二人の間の息子ジャックというのが面白かったですね。

確かに、ジャックという存在があったからこそダニエルが正義を貫く決意を得る事が出来ましたし、うん、確かにいい子だ(笑)。

 

 また、ダニエルに何かとマウント仕掛けてくるステファンの婚約者ペイトンについて。

彼女のキャラクターの個性が強すぎてステファンの存在感が薄れているとの声もあり、時間があればダニエルvsペイトンの場面についてなど、もっと掘り下げて話をしてみたかったところです(笑)。

 

 

さて、本書はこの作品のみで完結し、シリーズものではないのが残念という意見も多かったです。

それはやはり、バツイチで元夫に未練たらたら、二日酔いで法廷に入ったりするほどの酔いどれな主人公ダニエルは、突拍子もない行動を取ったりするもするけれど、お人好しでで正義感が強い存在として魅力的な人物として描かれている事。

そして、読んでみると根底に流れているテーマは重くとも、ユーモラスな語り口で読みやすいところもその理由としてあるのではないでしょうか。

 

ユーモア部分を面白く訳せているのか、そして読者が面白がって読んでくれるか心配だったと関さんは仰っていましたが、それは全くの杞憂で、読みながらつい笑ってしまったという読者も多いかと思います。

 

そのユーモア部分、ぶっとんだエピソードがいくつもあって、その辺も含めて話題は尽き無さそうでしたが、皆さんと語り合う時間が無くなってしまって残念。

 

実際、予定よりも30分ほど長く開催いたしましたが、参加者の皆さんもまだまだ語りたいと思う事があったかと思います。

 

この辺りは進行役の力量不足と反省(汗)。

機会があれば語り足りなかった部分もお話しできればと思いますので、その時はどうぞよろしくお願いいたします。

 

ちなみに今回、参加者16名のうち、福井在住が6名で、他は、兵庫県2名、埼玉県2名、静岡県2名、その他、愛知県、岐阜県大阪府、東京都からそれぞれ1名ずつご参加頂きました。

 

ダメ元で翻訳者の関さんにご参加をお願いしたところ快諾して頂けたり、全国各地からこうやって多くの方にご参加頂けたりするのはオンラインならではですね。

 

リアルでの開催が難しい状況は続いていますが、画面越しとはいえこうやって沢山の方に出会え、そして楽しい時間を過ごす事ができる事を感謝しております。

 

 

ところで本書のエピローグについて、関さんから訳すにあたって少し工夫された点があったとお聞きする事ができました(この点についてはネタバレになるので記す事は出来ませんが)。

そのエピローグ、少々甘くて不要だという方もいれば、ロマンチックで好きだと言う方も。

そんなエピローグも含めて、今の時代だからこそ沢山の方に読んでもらいたいと思える作品です。

未読の方は是非お手に取ってみて下さい!

 

 

 電子書籍版もあります

 

 

 ※関麻衣子さん訳の〈完全探偵エイモス・デッカー〉シリーズ。シリーズの続きを・・・!

完全記憶探偵 上 (竹書房文庫)

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※読書会の中でも話題に上がった映像作品

【Amazon.co.jp限定】アリー my Love コンプリートDVD-BOX
 

 

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【満員御礼!】「第6回福井翻訳ミステリー《オンライン》読書会」開催のお知らせ(12/21追記:ありがとうございます。満席につき【受け付け終了】いたしました!)

☆ゲストに翻訳者の相山夏奏先生、二見書房の担当編集者様のご参加が決定いたしました!(11/28追記)

 

日に日に寒くなり着実に冬の足音が聞こえていますが、皆様お変わりないでしょうか。

 

さて、本格的な冬を迎え雪で身動きできなくなるその前にと、「第6回福井読書会」を2020年12月26日(土)に開催する事が決定いたしました。

 

なお、またぞろ新型コロナウイルスの感染が広がっている状況を見て、今回も〈オンライン〉での開催となります。

 

課題書は『世界の終わり、愛のはじまり』コリーン・フーヴァー 著/相山夏奏 訳(二見文庫)。

 

ミステリーじゃなくてロマンス小説?!

 

確かにロマンス小説かも知れませんが、あの『秘めた情事が終わるとき』のコリーン・フーヴァー、果たして結末はどうなるのかハラハラしてしまうあたりはミステリーと言っても過言ではない・・・ってのはちょっと強引?(笑)。

 

主人公のリリーは理想的な恋人を得たはずが、彼が抱えていた秘密や自身が抱えていた痛みに、傷付き悩む主人公と共に〈愛〉の意味を一緒に考えてみませんか。

 

年末の慌ただしい時期ですが、ご都合つく方は下記をご覧のうえ、是非ご参加下さい。

 

【第6回福井翻訳ミステリー《オンライン》読書会】
日     時:2020年12月26日(土)開始20:00 終了22:00頃
場     所:ミーティングIDをご参加の方に案内
課  題  書:『世界の終わり、愛のはじまり』(二見文庫)
                     コリーン・フーヴァー 著/相山夏奏 訳
定     員:12名(世話人・ゲスト含む)
参  加  費:無料 ※課題書は読了してきて下さい。
募集開始:2020年11月28日(土)午前10:00より

 

【申し込み方法】
専用アカウント(fukui.honyaku.bookclubあっとまーくgmail.com)までメールにてお申し込み下さい(あっとまーくを@に置き換えてお送り下さい)。
件名を「福井読書会6」とし、メール本文には下記の内容をご記入お願いいたします。
お問い合わせもお気軽にどうぞ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1.お名前:
※ ご本名でお願いいたします。商業媒体に発表されている方は筆名でもかまいません。
2.緊急連絡用の電話番号:
3. お住まいの都道府県:―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

※ 定員に達した時点で受付を締め切ります。
※ お申込み後、順次受付確認のメールをお送りしますので、@gmail.comからのメールを受信できるようあらかじめ設定をお願いいたします。
※ お申込み後、数日を過ぎてもこちらから返信がない場合はお知らせください。

 

なお、web会議用のアプリを使用いたします。

4回目のオンラインでの開催となりますが、今回もリアルに近い形で開催したいので、恐れ入りますが顔出しでの参加をお願いいたします。

 

 

年の瀬も迫った時期での読書会となります。

忘年会気分でお気軽にご参加ください!

「第4回福井翻訳ミステリー読書会」レポート(課題書:エラリイ・クイーン『災厄の町(新訳版)』)

4回目となる「福井翻訳ミステリー読書会」は、第3回に続きオンラインにて2020年8月29日(土)に開催いたしましたので、すっかり遅くなりましたが簡単ではありますがレポートを記しておきたいと思います。

 

課題書は『災厄の町(新訳版)』エラリイ・クイーン 著/越前敏弥 訳(ハヤカワ・ミステリ文庫)

 

実は世話人二人ともクイーンどころか本格ミステリそのものに疎く、

 

「クイーンを課題書にしちゃって本当に大丈夫?!」

「ガチのミステリファンに滅多刺しされない?!」

 

なんて不安に思っていたところ、翻訳者の越前先生がゲストで参加して下さる事になりどれだけ安心した事でしょうか(笑)。

 

さて、当日は世話人とゲストの越前先生を含め合計12名での開催となりました。

生粋のクイーンファンや本格ミステリファンの参加者に圧倒されるのでは無いかとも思っていたのですが、今回初めてクイーンを読むという方も含めてクイーンは初心者だという参加者が半数以上を占めました。

なので、割と純粋に課題書そのものに関する感想が多かったので、その一部をご紹介いたします。

 

 

・初めてクイーンを読むけど、本作は読みやすかった。

・クリスティっぽい。

・最後まで犯人が分からなかった。

・途中で犯人については分かった。

・裁判の場面が印象的だった。

・事件が起こってから小さな町の中でライト家が孤立していく様子というのは、どこも同じで分かりやすい。

・他のクイーンの作品との違いを感じる。

・最後の謎解きの部分が難しく、なかなか理解しづらかった。

・舞台となるライツヴィルの様子や、町の人たちがライト家に対して噂したり怒ったりする様子が興味深く読めた。また、そういった様子は現代にも通じるものを感じた。

 

などといったところが、ざっくりとした主な感想として上がりました。

犯人について途中で分かった方と分からなかった方と、二分するような結果になったのですが、犯人が分かったという方もどの時点で分かったかそれぞれ違っていたのも面白かったです。

 

なお、越前先生からは、「クイーンは裁判のシーンを本書で描きたかったのではないか」、「影の主役はライツヴィルという町そのもの」といったお話も。

 

クリスティっぽいという意見には何人かの方も賛同されていて、ライツヴィルをイギリスの田舎町のような雰囲気で描き、「クリスティが描いたようなネタであってもクリスティとは違うものをというところを見せたかったのでは」といった考察もなされました(わ、真面目な読書会っぽい(笑))。

 

また、エラリイが「偽名を使っているけどこれってバレないの?」という問いには、「エラリイもクイーンもそもそも名前としては殆ど使われる事は無く非常に珍しいので、バレないというのはまずあり得ないが、舞台が1942年と第二次世界大戦時下ではあるけど、非常に長閑な町での出来事なので」との事。

うん、その辺りは小説として描くためにスルーって事ですね(笑)。

 

 

 ところで主人公のエラリイについての人物描写が殆どないので皆さんどういった印象をもっているのか気になりました。

 

まず、〈国名〉シリーズを読んでいる人からは推理マシーンだったエラリイも人間味が出るようになっており、それまでのエラリイとは印象がだいぶ違って見えるようで、〈国名〉シリーズの頃のエラリイなら早い段階で犯人も分かったのではないかとの声も。

これにはエラリイがパットに夢中になって推理どころでは無かったのではといった意見も(笑)。

 

逆にクイーンを今回初めて読むといった方は、エラリイが最初は結構年上なイメージで読んだという方や、イケメンで若いイメージで読んだという方も(角川文庫版の〈国名〉シリーズの表紙イラストの影響大ですね(笑))。

 

気障っぽいセリフや行動も見られるので、気障な男という印象もありましたが、〈国名〉シリーズからするとこれでもだいぶ柔らかく、そして大人になっているそうなので、その辺も含めてエラリイ・クイーンが登場する作品を読みたくなった参加者も多かったようです。

 

 

また、エラリイ以外の登場人物についてですが、やはりジムに対する風当たりが強かったですね。

「そもそもライツヴィルに戻ってくるなよ」

「戻ってくるなら色々始末してからにしろ」

「とにかく許せない」

「よく平気な顔で戻って来れるな」

「金を無心するな」

などなど辛辣な意見が多数。

いいところを見せる部分もありますが、それを差し引いてもジムはダメ男として認定されておりました(笑)。

 

 

その他の登場人物についても、ノーラに関しては理解できたり共感できる部分もあるという方もいれば、共感は出来ない、もしかしたら一番怖い人物かもという意見も。

 

パットについては、カーターに見せつけるようにエラリーといちゃいちゃするような場面はありますが、ジムとノーラ、そしてライト家を守ろうとする姿が健気。

そして可愛いとも(笑)。

 

また三姉妹の長女であるローラが、実は一番人物像がしっかりしてていい人なのではといいった意見も。

 

 カーターについては、検察としての立場ながら実は裏ではライト家を守ろうとしていた様子が描かれる場面に男らしさを感じたという感想も。

付き合いだしたばかりのパットは突然町にやってきたエラリイといい感じになっているし、事件後は検察とライト家との間で板挟みになっている、結構可哀想なキャラクターなのだったかも知れません(笑)。

 

 

そうそう、日本では過去に『配達されない三通の手紙』というタイトルで映画化されており、その事について原作との違いや役者についてなど越前先生からお話が。

こちらも気になるので観てみたいものです。

 

 

さて、この『災厄の町』から始まる〈ライツヴィル〉シリーズですが、越前先生もエラリイが大人になっていく様子が描かれいるからこそ好きだと仰っていました。

『災厄の町』の新訳を手掛けた後も、『フォックス家の殺人』と『十日間の不思議』の新訳を手掛けたいと出版社にプッシュされていたそうで、それが実現し、ようやく『フォックス家の殺人』の新訳版が今年の12月に、『十日間の不思議』の新訳版は来年刊行される事になったそうで、みなさん、今から楽しみにしていてください!

 

 

なにはともあれ、クイーンを初めて読んだという参加者もそうでない方も、他のクイーンの作品を読んでみたくなったという意見で一致。

 

そんなクイーン初心者に、コテコテなミステリーが読みたい方は『ローマ帽子の秘密』から始まる〈国名〉シリーズを。

中ぐらいな論理的な謎解きが好きな方には『Xの悲劇』から始まる〈ドルリー・レーン〉四部作を越前先生もお勧めしていたので、クイーン初心者としては参考にしたいところですね。

 

 

また、クイーンを知る上で参考になる図書の紹介も。

 

エラリー・クイーン  パーフェクトガイド』(絶版)

エラリー・クイーン Perfect Guide
 

 

エラリー・クイーン論』

エラリー・クイーン論

エラリー・クイーン論

  • 作者:飯城 勇三
  • 発売日: 2010/09/01
  • メディア: 単行本
 

 

エラリー・クイーン  推理の芸術』

エラリー・クイーン 推理の芸術

エラリー・クイーン 推理の芸術

 

 

などの他に、日本での近刊予定である『BLOOD RELATIONS』は、著者のフレデリック・ダネイとンフレッド・ベニントン・リーの書簡集となっており、二人の仲が相当悪い中で傑作が生まれる様子が分かり興味深いとお勧めされていました。

Blood Relations: The Selected Letters of Ellery Queen, 1947-1950

Blood Relations: The Selected Letters of Ellery Queen, 1947-1950

  • 作者:Goodrich, Joseph
  • 発売日: 2012/01/23
  • メディア: ペーパーバック
 

 

 

 

読書会そのものは予定より30分程オーバーしてしまいましたが、それだけ越前先生のお話も面白く、また、楽しかったのは参加して下さった皆さんのお陰です。

 

それから今回開催するにあたり、以前に本書を課題書に読書会を開催していた大阪読書会と金沢読書会の世話人様から資料を提供していただきました。

また、参加者の中から〈ライツヴィル〉の地図を提供して下さった方も。

今回、レジュメ作成はサボろうかとも思っていた世話人としては大助かりでした(笑)。

あらためて御礼申し上げます。

 

 

 

さて、次回の福井読書会は10月31日に『弁護士ダニエル・ローリンズ』を課題書に開催と先日告知したところですが、お陰様であっという間にお席が埋まりました。

オンラインでという事で気軽に遠方からもご参加いただけるのも嬉しい限りです。

 

その後の予定としては、このままオンラインでやるにせよ、対面での開催を再開するにせよ、雪が降る前に一度開催できればなと思っておりますので、時折当サイトもしくは世話人twitterをチェックしていただけると幸いです。

 

 

 

ローマ帽子の秘密 (角川文庫)

ローマ帽子の秘密 (角川文庫)

 

 

Xの悲劇 (角川文庫)

Xの悲劇 (角川文庫)